追跡できる史実と一致する過去世を語った江戸時代の女性と、習得したことのない外国語を話すネパールの男性の2つの例を取り上げた、TV番組「アンビリーバボー」でも放映された内容の、さらに詳しいバージョンでした。 TV番組の内容は、書籍にもなっています。
自主上映会は何箇所かで行われたようですが、私は代々木(と新宿の間)にある図書館カフェに行ってきました。噂は聞いたことがありますが、行くのは初めてです。
「図書館」をイメージしていたら、こじんまりしたオフィスの壁じゅうが本で埋め尽くされた、どちらかというと一人暮らしの部屋??みたいな、不思議な空間でした。
TVでがっつり見て本も読んだので、江戸時代の女性とネパール人男性の話はほとんど知っていました。今回のDVD作品は、「セッション内容全てをノーカットにした」に近く、冗長ですが、プロフェッショナルな同業者としての私にとっては非常に面白いものです。
江戸時代女性の事例は、現代では忘れられているような風習やメンタリティが非常にリアリティあります。歴史の教科書には載らないような貧しい庶民の暮らしが事細かに報告され、龍神・雷神・観音様などの存在、人柱の効果が、当時の人たちにとって現実味を帯びて体験されていたことがよく伝わってきます。
火山の噴火という自然現象や、名主の存在など、時代が近いゆえに追跡できるものがあり、まるでミステリー小説を読むように、真実に迫っていく様子は、何度見てもわくわくします。
そして、圧巻はなんといってもネパール語です。この映像を見てまだ「嘘だ」と考える人の気がしれないです。演技や虚偽とはとても思えない。他の点(守護霊など)ではまだ眉に唾をつける人がいるのは理解できるけれど、真性異言という現象、どう見ても現代日本人にとっては非常に難しい古いネパール語で会話が成立しているということを、目の前で見ても認めない人が出てくるというのは、「人は自分がみたいものだけしか見ることができない」ということの証明になることでしょう。
被験者や実験者が演技している、嘘をついているという可能性についても、「作り話にしてはお粗末すぎる」、実験者が慌てたり困ったりしている様が克明に映し出されています。彼らが「上手な俳優」であるという疑いは信じがたいものがあります。どう見ても、演技が上手そうな人たちではありません。被験者の女性は、最後にインタビューシーンが写っていますが、「気のいい関西のおばちゃん」オーラが出ており、非常に健全な人柄である(=虚言癖などがあるとは思えない)ことが感じられます。
このような事例に遭遇し、それを世に出す役割を果たすことになられたのも、映画の中でもありましたが、高次元存在から選ばれた、計画された、使命であったと、素晴らしいお役目を果たされる方なのだと感じました。
後半の後半は、ほぼ「降霊」の体をなしたセッションの様子が複数登場します。体が震えたり、声音が普通ではなかったり。稲垣先生とスタッフたちの過去世つながりを語る被験者の様子も面白かったです。
私も数多くのセッションをこれまでこなしてきているので、自分の経験と一致して興味深い点が沢山ありました。いくつか思いつくままに挙げると、
・過去世は多く貧しく不幸で過酷なものである
歴史の教科書や小説に登場する「英雄」や「文化人」は本当にごく少数の例外者です。考えてみれば当たり前ですが、圧倒的多数は庶民であり、私たち現代日本人が持っている暮らしとはかけ離れた「標準」の中で生きています。
布団がない。暦がない。おかずがない。人を殺す。殺される。それらは数の上で「ごく普通」であったことを、少し頭を使えば理解できるはずです。
・現代では通用しない常識が生き生きと語られる
貧しさゆえに、「桑の実を食べるのが幸せ」という感覚。村の有力者でありながら文盲ゆえに、「字を書きたい」という心残り。
・生まれ変わりはたくさんある
輪廻転生を否定する理論も含めれば、多種多様な過去生の「回数」に対する理論がありえるけれども、私の経験では、「けっこうたくさんある」というのが実感です。そのオーダーが、数回なのか数十回なのか、数百回なのか…etc.は理論によってかなり差が大きいけれども、私自身のセルフでの経験とクライアントさんの事例から類推すると、数万とかはないが、1回や2回ではない気がします。
・過去生の「想起」は、別人格の「憑依」である
稲垣先生は過去世を「イメージする」他の前世療法に批判的ですが、私も、別人格に「来て」もらって語っていただくような流れのことが多いです。
お一人、ほとんど憑依に近いセッションになった事例があり、女性の人格と男性の人格が交互に入れ替わる際に口調も声音も変わるのを体験しました。SAM前世療法だけで起こるわけではないようです。
でも、憑依というのはネガティブなニュアンスが強い単語なので、あまり使ってほしくないんだけどなー。
・宇宙人や高次元存在の過去世が存在する
私のセッションで、これまでに5回ほど、宇宙人過去世が出てきた方がいらっしゃいます。なので、驚きませんし、むしろ「普通なんだな」「やっぱり」という感じです。残念ながら「星」までわかったことはないですが。
また、「もう輪廻転生する必要はないのだが、敢えてボランティアとして降りてきた」流れも複数回見聞きしているので、驚かないというよりか、却って本当らしいな、と感じます。
いろいろありますが、思いつくのはそのくらいです。
というわけで、大変興味深かった上映会でした。
私も、「実証」には非常に興味がある。「クライアントさんが満足して幸せになれば、実証はどうでもいいじゃないか?」という意見には組みしません。こつこつと積み重ねていきたいのは、稲垣先生と同様です。私はまだ大々的に「科学」と呼べる段階にはなく、仮説作りの一端に過ぎないかもしれませんが、千里の道も一歩から。魂の真実を追う一人でありたいと、気持ちを新たにしたところです。
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ニ埜り音(にのりおん) (火曜日, 26 2月 2013 01:03)
わたしも、4月に関西で上映会を開催する予定です。
とても参考になりました。
ありがとございました。